田中 保山
石を見る目と高度な彫刻技を持つと讃えられる名匠。
特に石の最も美しい光彩を引き出す「石取り」の技術には定評があり、文様が複雑な虎目石の彫刻を得意とする。
卓越した彫りも評価が高く、仏像作品も数多く手掛け、天台宗、真言宗、曹洞宗の各寺院に大日如来、如意輪観音、千手観音等を奉納している。
今日多くの水晶彫刻品の製造過程において用いられる『石の合わせ技』(特殊な材料を用いて石と石とをはり合わせる技)は、保山が考案した独自の技術で、小物、中型〜大型、また多くの装飾を必要とする作品は、この技無しの制作は困難と言われている。
また、水晶彫刻の美を全面から見て欲しいという意から、ガラスケース等に入れ、背後に鏡を貼る事により、作品の装飾性を高める事を業界にいち早く取り入れる等、水晶彫刻界に大きな発展をもたらしたと言われている。
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